2011年12月30日金曜日

金の下落、ユーロの下落

2011年の最後の最後になって、ユーロは一時的に100円割れ、
金も1500ドル台へと下がってきました。

どちらも今のところ想定内の動きです。

来年はユーロの90円台、さらに80円台がある可能性も捨てられません。

ECBはEU圏の銀行に低金利で資金を提供する策に出ましたが、
これもまた借金を膨らましただけで問題を大きくしてしまいました。

EUの問題はさらに大きくなり、現金が必要になった人は
さらに多くの金を売り払うことになりそうです。
ECBやIMFも金を売る可能性も出てきました。

その時に金は下がるでしょうがこの期間で、
弱い買い手から強い買い手に移っていくことになるんじゃないでしょうか。

金・銀などの実物資産をまだ持っていない人は
2012年にチャンスが来るのんじゃないかと思います。

2011年12月14日水曜日

ユーロの下落

海外などに出かけることが多くしばらく更新しませんでした。
その間にも為替は動いていますね。

予測通り、ユーロが下落してきました。
ユーロ/ドルは安値更新です。

ユーロ/ドルの日足チャート

ユーロ/円についてはまだ前回安値を更新していません。
このまま一直線で下落していくとも思いませんが、
時間の問題で安値は更新していくと思います。

今は円高でユーロが安いと思ってユーロを買うことは危険です。
ユーロの100円割れはそれほど遠くないと思ってます。


ドル/円についても想定通りというか、
ドルも強いし、円も強いのであまり動いてません。

正直、震災後の急激な円高でドル/円の円高は転換するかもと
考えてしまいましたが、足もとの経済状況をみると
円はますます強くなっていきそうに思えます。

円を持っている人はしばらくなにもしないことがいいのかもしれません。

2011年11月15日火曜日

イタリアの首相交代

先日、イタリアの顔として17年間続いたベルルスコーニに変わり、
経済の専門家とされるマリオ・モンティが首相に就任しました。

経済の専門家が就任したことで、
欧州の経済危機を乗り切れるかということが
話題となっているようです。

しかし、欧州の問題がこのまま解決に
向かうとは考えられません。

そもそもこの欧州の危機の根本が
何なのかについて誰も何も語っていません。

根本は欧州全体に広がる大きな借金であり、
その借金が返せないことが問題なのです。

ギリシャがデフォルトすると国債を買っていた銀行は
損を被ることになりますが、銀行はそれをしたくないのです。

しかし、そうしないで引きのばすことで
ますます借金は増えていっています。

実際、少し前に決まったEFSFでは欧州には補てんする
お金がない(ドイツが出し渋っているだけ?)のに、
レバレッジをかけて補てんする法案が通ってしまいました。

2,900億ユーロしかないのに1兆ユーロの債務を
保証するというのです。

これはCDSの問題と同じです。
どこかの会社が破たんした場合、CDSという保険をかけていたのですが、
連鎖的に倒産してしまうとCDS自体の保証がなくなってしまうのです。

経済の専門家マリオ・モンティも
小手先の技を使って延命をはかることは得意そうですが、
借金を減らすことを考えているようには見えません。

2011年11月7日月曜日

金リース・レート

預金をしていれば金利が付きますが、
金はモノだから保有していても金利が
つかないというのが世間の常識だと思います。

しかし、金でも金利をつけることが可能です。

金を貸し出すことによってそれに対する金利をもらうのです。
その金利を金リース・レートと言います。

金リース・レートはJPモルガンによって開発されました。

金リース・レートが開発される前は、
各国の中央銀行は金を保有していましたが、
その金には金利が付きませんでした。

さらに80年代から90年代にかけて
金価格は下落を続け、
一時は中央銀行が金を持つ意味はないとさえ
言われた時代がありました。

そういう中で、金を貸し付けて金利をつけようと考えたのです。
頭いいですね、JPモルガン。

では、誰が金を借りるのでしょうか?

鉱山会社や宝飾業者です。
鉱山会社や宝飾業者は価格が高いうちに金を借り付けて、
市場で売ってしまいます。
そして、金価格が下がった時に生産した金で
借りた金を返却するということです。

中央銀行は金を貸し出して、
金に金利が付いて返ってくれば損はしません。
(貸し付けた金が必ず戻ってくるとは言い切れませんが。)

しかし、鉱山会社の意に反して金価格が上昇した場合、
鉱山会社は本来得られる利益よりも
低い利益しか得られないことになります。

2011年11月4日金曜日

アメリカ国債 債務残高 その2

今年、2011年の8月頃に問題になっていた米国債のデフォルトについてですが、
結局、アメリカの議会は債務上限を引き上げ、デフォルトは回避されました。

今は米国の問題は表に出てこず、
マーケットはユーロの問題に注目をしています。
私にはEFSFでユーロの問題は治まったという見方には懐疑的です。
ユーロはさらなる下落を見ることになるでしょう。

話は米国債の問題に戻りますが、当時、
アメリカは債務上限を14.3兆ドルと定めていましたが、
今年の5月にその債務上限を超えてしまうことがわかり、
国債の返済が滞って、デフォルトを迎える可能性があるとされていました。

しかし、結局は債務上限は引き上げられ、
デフォルトには至りませんでした。
債務上限はその前から毎年のように引き上げられていましたが、
結局は今回もデフォルトを避けるためにさらに借金を重ねたのです。

では、アメリカがデフォルトせずに債務上限を引き上げたからといって、
ハッピーなのでしょうか。
私はむしろ、アメリカがデフォルトしないからこそ、
長期的にはアメリカドルに弱気です。

もはや借金まみれのアメリカが取れる選択肢は
下記の3つのうちのどれかになります。

1. 歳出を大幅に、本当に大幅にカットし、今すぐ借金を減らす方向へ舵を切る。

2. もう、借金は返せない。デフォルトして借金を踏み倒す。

3. 問題は難しいので、見ないふりをして借金を増やし続ける。

「1」の選択肢を取った場合でもこれだけ増えた借金を
減らすことは難しいでしょう。
今年の夏、14.3兆ドルの壁を超えたアメリカの借金は、
歳出の数%を削ることさえ議会でもめにもめて、
結局問題は先送りされてしまいました。

アメリカが返せないことを認めれば「2」の状況になります。
米国債は紙くずとなり、キャッシュに逃げ場を求め、
アメリカドルが強くなるでしょう。
しかし、今の資本主義市場経済を作り上げてきたアメリカが、
世界経済の基盤ともいえる米国債のデフォルトを
宣言できる勇気があるでしょうか。
私はアメリカがどんなに借金を返せないと分かっていても、
デフォルトを認めることはしないだろうと思います。

そして、結局は「3」を選ぶことになります。
選ぶというか、「1」も「2」も実行できないので、
「3」になってしまうでしょう。

さらなる借金を続け、
さらにお金を刷り続けるということです。
スマートなマネーは余計に実物資産に
流れていくことになるでしょう。

もし、他の答え(選択肢)があるのであれば誰か教えてください。

2011年11月3日木曜日

アメリカ国債 債務残高 その1

前回に引き続き、アメリカの経済統計シリーズで、
今回はアメリカの国債債務残高です。

要は、どんだけ借金してるのかということです。



アメリカは、1990年から2000年までに借金を2倍に増やし、

ここ10年間ではさらに2.5倍程度に増やしているんですね。

この伸びは指数関数的に伸びています。
10年で2倍のスピードで増えていった場合、
2020年には24兆ドルを超える程度になります。

私にはそこまでアメリカが借金できるのかどうかわかりません。

アメリカが借金できるかというよりは、
世界の人々がそこまでアメリカドルを
信頼し続けられるかどうかにかかっています。

2011年11月1日火曜日

アメリカのマネタリーベース推移

マネタリーベースとは、
現金通貨と民間金融機関が保有する
中央銀行預け残高のことです。

こういうとちょっと難しいですが、
通貨供給量といえばわかりやすいでしょうか。

要は、どれだけお金を刷ってるかっていうことです。

下のグラフは、FRBが公表している
過去10年間のマネタリーベースの推移です。


重要なことは、このグラフはしっかり公表されて、
誰もが見ることができるということです。

もちろん、ほとんどニュースでは取り上げられませんが。。

リーマンショック以前は8,000億ドル程度だった
マネタリーベースはそれ以降に急増しています。

今では、過去の4倍に届くほどのお金を刷りまくっていて、
過去の量に戻るどころか、
それ以降も増加傾向にあるのです。

このお金の刷りまくりの状況を知っていて、
ドルを持ち続けることができるんでしょうか。

ドルをたくさん刷れば、それだけドルは減価します。
口座にドルは変わらずに存在するかもしれませんが、
ドル全体の総量が増加することによって、
1ドルの価値は減っているのです。

ドルが安くなって行くのは必然です。
(とはいえ短期的にドル高の予想は変わっていません。)

これはある意味、泥棒よりも厄介です。
経済に関心のない人はドルの価値が減っていることに
気づきもしないのですから。
そして、気づいたときにはもう手遅れなのです。

その頃には、ドルはもう使い物にならなくなっているでしょう。
その他の紙の通貨もドルとさほど違いはありません。

だからこそ、私は政府に、中央銀行に
腹を立てているのです。

まじめに政府(通貨)を信頼し、
預金していた人が一番損を被るのです。

親しい人たちがそうなるのを見たくはありません。

2011年10月31日月曜日

どうやって金・銀を買うか。

私がオススメする金銀の購入場所
金: 住友金属鉱山
銀: 石福金属工業

どこで金を購入するか考える場合、重要なことは手数料です。
手数料が重要だと言ってもタイミングが変われば、
ほとんど手数料は関係ないかもしれませんが、
そのときの最安値で買える方がいいですからね。

金価格はロンドン市場を中心してドル建てで決まります。
(ロンドンなのにドル建てなんですねー。)
私がここで金の価格についてドルで書くのは、
ドルが(まだ)基軸通貨だということと、
世界中で金の価格はドルで表示されるからです。
日本では、ドル建ての金価格と為替レートから
朝10時頃に、1kgあたり円建てでの金価格が決定します。

では、実際に購入する際にどこに気をつけるか並べてみました。
  1. スプレッド
  2. バーチャージ
  3. 送料
  4. 消費税

1. スプレッド
中央の価格は、市場によってだいたい決まります。
しかし、販売会社はそのままの価格では売ってくれません。
例えば、今日買って、その場ですぐに売った場合は必ず損をします。
なぜなら、買い値と売り値には差があるからです。
その差のことをスプレッドと言います。

10月31日付けの住友金属鉱山では以下のようになっています。
売り値:    4,277.00円/g
買い値:    4,247.00円/g

売りと買いで、1gあたり30円の開きがありますね、
これがスプレッドです。

このスプレッドは会社によって違い、
スプレッドが大きいということは会社の手数料が高いということです。
なるべくスプレッドが小さい方がいいですね。

ちなみに、銀やプラチナは金に比べてスプレッドが高くなります。
通貨でもユーロ/ドルやドル/円のスプレッドは低いですが、
マイナー通貨になればなるほどスプレッドは大きくなります。
取引が多いものはスプレッドが小さく、
取引が少ないものはスプレッドが大きくなる傾向にあります。


2. バーチャージ
金のバー、つまり延べ棒で買う場合、
小さい場合は、バーチャージというものを取られます。
500g、1kgの場合はバーチャージがかかりませんが、
金額が大きくなりますね。
銀は30kgの場合のみ、バーチャージがかかりません。

住友金属鉱山では100g以下の場合、
何gでも1つにつき、1,785円のバーチャージがかかります。

銀はバーチャージも大きくなります。
そういうリスクも金よりは高いということですね。

バーチャージも会社によって違います。
さらに、金や銀自体の価格が上昇してくれば、
バーチャージも上昇してくる傾向にあります。

3. 送料
金や銀は商品ですから、発送してもらう必要がありますので、
送料が必要なところもあります。

住友金属鉱山では送料無料です。
石福金属工業はモノによって違うので、確認しましょう。

4. 消費税
どこで買っても消費税は付きますので、
市場の価格と随分違うと思った場合、
消費税の違いが考えられます。

消費税が上がれば、
金や銀の価格も上がってしまうということです。

買うからには売る時も考えましょう。
ひょっとしたら売ることもなく、
金や銀をそのまま通貨として
使うことになるかもしれませんが。

売却する際は以下のことを気をつけましょう。
  1. 税金
  2. 消費税
  3. 送料
  4. 鑑定料(買取手数料)
1. 税金
売却益が出た場合、税金をとられます。
実のところ、いくら以上の売却益で、
どれだけ税金をとられるんだか調べてません。
5年以上の保有と5年未満の保有で
違ってくるということは読んだことがあります。
利益が出ない場合は、税金を払う必要はありません。
当たり前ですけど。
調べようが調べなかろうが
税金は取られてしまうので実はあんまり調べてません。

2. 消費税
これはけっこう知らない人がいるかもしれませんが、
売った場合は消費税が返ってきます。
今後、消費税が上がってから売却すると
ちょっと得しますかね。

3. 送料
モノですから、売却するときも発送が必要です。
売却時の送料も調べておきましょう。

4. 鑑定料(買取手数料)
通常、購入したところであれば、
鑑定料は払う必要がありません。
しかし、どこで購入したのかわからないものは
鑑定料がかかります。
出所がしっかりわかるところで買いましょう。


また、タイミングについてですが、
通常、電話をして申し込んだ日の
金額で購入金額と買取金額が決まります。

私がオススメするところよりも
手数料が少なくて安心できる会社が
あったら教えてほしいです。

2011年10月29日土曜日

終わらないユーロ危機

欧州で債務危機包括策が合意されました。
大体の合意内容は以下を参考に。
http://jp.reuters.com/news/globalcoverage/globaleconomy

ギリシャのヘアカット(債務削減)を50%にしたのは
それなりに評価したいと思います。

ヘアカット50%ってことは貸したお金が
半分は返ってこないってことです。
しかし、ギリシャの問題はそれでは済まないでしょう。

ドル高が続くとここで公言してから、
ドル安ユーロ高が続いてますが、
これはドル高トレンドの修正局面だろうと見ています。

どのくらいユーロが反発するのかはわかりません。
1.42は超えてきたので、
ひょっとすると、1.45くらいまでユーロは戻してくるかもしれません。

しかし、どのみち1.31を割る時がくるだろうとは思います。

株価もどのくらいまで持ち直すかはわかりませんが、
やがて底値を割って行くことになるだろうという予測に変わりはありません。

2011年10月27日木曜日

金のつぶやき

日本での金の第一人者と言われている
豊島逸夫氏が日本経済新聞でコラムを書いています。

豊島逸夫の金のつぶやき
http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx

豊島氏の見方では、先日の暴落後に
買いシグナルがでたという見通しで、
金価格は1,500ドルから2,200ドルの
動きを予測しているようです。

第一人者ということで、豊島氏のコラムは参考にしています。
確かに、金価格は先日の暴落から値を戻してきて、
1,700ドルを超えてきました。

しかし、私の見方としては金の熱は
まだ冷めきっていないように見えます。

まだ先は見えてきませんが、今の段階では、
金の下値は1,200ドル台もしくは
それ以下まで下がる可能性も考えています。

ただし、長期的には1,900ドルや2,200ドルどころではなく、
3,000ドルや5,000ドルは超えるだろうとは思っていますが。

2011年10月26日水曜日

銀の需給

銀の需給については、私が書くよりも、
とある機関から提出されているレポートを
直接見てもらった方が確実だと思いますので、
そちらのリンクを。

World Silver Surveyの日本語ダイジェスト版
http://gold.tanaka.co.jp/statistics/ag2011_digest.html
(田中貴金属のHP内へのリンクです。)

GFMS社のWorld Silver Survey
英語で書かれていて、
通常版は有料で225ドルです。

私は貴金属ディーラーをやってるわけでもないので、
そこまでお金を払って取得しようとは思いません。

こちらのダイジェスト版で
需要と供給の大まかな流れはつかめます。
自分のお金を投資するのに、
そんな適当な調査じゃダメだって
怒られてしまうかもしれませんが。。

GFMS社の価格見通しなどは、
適当に流して読めばいいんじゃないでしょうか。
どのみち、当たり障りがないようなことしか書いてませんし。

需要と供給から今までの流れと
今後どうなっていきそうなのか
考えていくことが重要ですね。

2011年10月25日火曜日

先行する金チャート?

今までほとんど銀について触れていなかったので、
銀について考えてみます。

結論からいうと、私は金よりも銀の方が
上昇余地があるとみています。

下は、銀の長期チャートです。
見てわかるとおり、ドル建ての銀価格は
まだ過去の最高値を更新していません。



次は、金の長期チャートです。
ドル建ての金価格は、
過去の最高値を2007年に更新し、
少し前に2倍程度まで達しました。



ちょっと前に先行する銀チャート?を書きましたが、
短期的な動きとしては金が銀に追づいしそうですが、
長期的には銀が金に追づいしていきそうだというのが
私なりの見解です。

チャートもそうなのですが、
実際に需給の面からみても、
銀の方が有望だと考えています。

銀は貴金属であると同時に、
消費される工業金属でもあり、
その用途は近年になって
多様化してきています。

銀の需要と供給については
別の機会に詳しく述べたいですが、
やがて供給が需要に追いつかなくなる
時が来るんじゃないでしょうか。

10年前は1オンス5ドルを下回って、
銀は貴金属に含めるべきなのか
という議論があったことが懐かしいです。

ただ、もうしばらくは調整が続くかもしれません。
EU圏の問題もありますが、
中国の方が影響が大きい可能性があります。

今年から来年にかけて予測される中国の景気減速は、
銅や鉄以外にも、金や銀の価格にも影響しそうです。

2011年10月23日日曜日

円は強くありつづけるか?

先日、ドルについて触れました。

短期的にはドルは強くなっていくと思います。

EFSFが可決されれば、
数日間はユーロが上昇するかもしれません。
しかし、それはユーロを売っている人たちが買い戻すだけであり、
新たにユーロを買っていく人はいないでしょう。

なぜなら、EFSF以上にユーロが上昇していく材料がないからです。

ギリシャは何らかの形で破産しなければならないと考えています。

そして、ユーロ圏での破産が起これば、
ユーロが強くなる可能性があります。
ドルは、ギリシャの問題と比べれば、
比にならないほど多くの問題を抱えているからです。


ただ、UK(イギリス)も大きな問題を抱えています。
ユーロ危機の後はポンド危機になるかもしれません。



さて、今回は円について、強い通貨であり続けるのか
ちょっと考えてみたいと思います。

日本の景気は長い間回復していないし、
出生率が低くて、
年齢層は逆ピラミッド型だし、
政府が借金をしまくって、
その借金は1,000兆円を超えそうだ。
なんで、こんな円高なのか理解できない。

そういう話をよく聞くように思います。

しかし、そんなに日本の将来に悲観的であるならば、
日本国債がどうしてあんなに低金利なのか
不思議だとは思わないのでしょうか。

金利の低さは信用の高さを表しています。
日本国民の多くの人が悲観的であるにもかかわらず、
長年日本の金利は低いまま、
日本国債は高い信用を得ているのです。

日本円は、そのずば抜けた金利の低さを利用されて、
海外の投資の資金とされました。
2007年までは景気も上向きで、
日本円が資金とされるため市場で、
円は売られ、円安になっていました。

今、その逆のことが起きているにすぎないと考えます。
世界中に投資されていた資金が引き揚げられ、
資金とされていたが円が戻されていると考えています。

それを予測している投資家が円を買うために
さらに円高になるということでしょう。

だから日本の強さを信頼して、
円を買っているというわけではないと思います。

私は、第2のリーマンショックが去れば、
やがて円は弱くなっていくだろうと思います。

そして、問題は日本国債。
株安になれば、その逃げ道として国債が買われるかもしれません。

しかし、国債は歴史的な高値の状態にあり、
国債がいい投資になるとは到底考えられないのです。

そう遠くない将来、金利は大幅に上昇することになると考えています。

2011年10月21日金曜日

ドル高でも円高

1か月ほど前からドルは反発し始めました。

EUR/USDのチャート by Zai FX


このところドルの強さは一服しているものの、
今後もしばらくは、ドルは強くなっていくだろうというのが
私の短期的な相場観です。

短期的というのは明日とか明後日じゃなくて、
数週間とか数ヶ月間、ひょっとすると1年程度くらいです。
3年とか数年単位でドルが強くなることはないだろうと思います。

ではドル円はどうなったかというと、
本日(10/20)、円はまた史上最高値を更新し、
1ドル75.78円をつけました。

今は、円高ドル安だし、ドル円は高値更新中で、
ドル高なんか起きていないし、
円高になってるじゃないかと突っ込まれて
しまうかもしれないので、
ドル高について少し説明を。

私がここでいうドル高というのは、
対主要通貨に対して、ドルが強くなるということです。
それ以外にも、株や金、原油など商品に対して
ドルが強くなるということを言っています。

円安ドル高とか円高ドル安はセットとして
使われるように考えている人も多いのかもしれません。
しかし、円高でも同時にドル高ということも起こるのです。
逆に円安でドル安もありえます。

例えば、2008年の夏に円高とドル高が起きました。
欧州通貨(ユーロやポンド)や
オセアニア通貨(オーストラリアドルやニュージーランドドル)が
弱くなり、円とドルはともに上昇。

円の方がドルよりも強く、円高気味に動きましたが、
他の主要通貨に比べてドル円はそれほど動きませんでした。

2008年は円もドルも強く、それでも円の方が
ドルよりもさらに強かったと言えます。


約1か月前から、対主要通貨に対して
下落し続けていたドルが反発を始めました。

これから危機がやってくれば、2008年のように
ドル高、円高、スイスフラン高になり、
株安、金安、ユーロ安、ポンド安、オーストラリアドル安など
の方向に動くと予測しています。

その危機は欧州発なのか、中国発なのか、
まだ見えてきていませんが。

ただし、長期的にはドルには悲観的であり、
保持したい通貨だとは思いませんし、
日本円もこの上昇を待って、
売ってしまった方がいいかもしれません。

日本は景気が悪いし、借金だらけで、
なんで円が強くか分からないということをよく聞きます。

長期的には円が強い通貨だとは私も思えません。

2011年10月20日木曜日

金ETFとは。

金への投資の手段として
近年、金ETFというものが開発されました。

金ETFは、金価格に連動した有価証券で
株式のように買ったり売ったりできるので、
注目を浴びるようになりました。

手軽に手数料も少なく取引できるとして、
ここ数年金間で、金ETFの市場規模は大きく拡大してきました。

金の現物ではなくて、金のETFでいいんじゃないかと
疑問を持つ人もいるでしょう。
しかし、私は金ETFを信頼していません。

金と同価の有価証券とは、
あるものとよく似ています。

それは何かというと、、 ドルや円などの今の通貨です。

ドルは1930年代の大恐慌の前、
1オンス(32g程度)の金と20.67ドルで
交換できる通貨として認知されていました。

その後、米政府が大量にドルを発行したことで、
20.67ドルと金との等価交換を維持できず、
段階的に1オンス35ドルにまで
金に対して切り下げられます。

そう、かつてドルは金と同価だったのです。
円も明治時代には1gの金と同価でした。

金とドルや円の価値が同じであれば、
ドルや円を持っていればいいじゃないかと
思うかもしれません。
しかし、実際はどうなったどうでしょう?

今では、、
1,600ドルを払わなければ金1オンスと交換してもらえません。
4,000円を払わなければ金1gと交換してもらえません。

政府はそうやって国民を裏切ってきました。

政府が発行する通貨よりも、
簡単に増産できない正直な金が上昇してきたのです。

では、ETFを運営する会社は信頼できるでしょうか。

本当に金を持っているのでしょうか。

金の現物が必要となった場合に
どうやった手段で金ETFから現物へ交換できるのでしょうか。

そういった信用リスクがないからこそ、
金そのものを持つことに意味があります。

だからこそ、金を保険として持つのは、
現物でなくてはなりません。

金ETFは私からしてみると結局は紙幣とたいして変わりません。

手数料を支払ってでも現物で持つことが重要だと考えています。

2011年10月19日水曜日

金 - Wikipedia

金 - Wikipediaへのリンクです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91

その中の一文に以下ように書かれていました。

「歴史的には、貨幣の価値によって同等の重さの金と
交換できる金本位制として知られる、経済システムの裏を
支える物として使われてきた。」

Wikipediaはそもそも正しさを主張してはいませんが、
上の書き方は実は正しくないと思われます。

貨幣は最初から存在していたわけではありません。
歴史としては、物々交換の時期あり、
その後、金貨や銀貨が使われるようになります。

金貨や銀貨のその希少性と加工のしやすさなどから、
価値の保存、価値の尺度、物品交換の媒体として
機能するようになります。

金や銀などの富を貯めた人はやがて、それを預け、
その預かり証のみでやり取りを始めるようになります。
これが貨幣誕生の発端とされています。
この金や銀を預ける場所は現在では銀行と呼ばれています。


貨幣はそもそも金によってその価値を保障されていました。

つまり、金が貨幣と交換できるのではなく、
貨幣が金と交換できたのです。

明治時代、1円は金1gと交換できるとして円が誕生しました。

しかし、今では4,000円程度を支払わなければ
金1gと交換することができません。
(金の過去最高値は6,000円台であり、
円ベースでは高値を更新していません。)

金はそんなにも高くなったのかと思うかもしれませんが、
金を基準にしてみれば、
円の価値がそれほどまでに落ちたということです。

2011年10月18日火曜日

第2のリーマンショックは来るか? その3

少し前にも書きましたが、
EFSFでギリシャを救おうとすることは
借金をさらに増やすに過ぎず、
イタリアやスペインをも救わなければならないことになります。

EFSFは一時的に安どを与えるかもしれませんが、
ギリシャ、イタリア、スペインの損失は誰かが
支払わなければなりません。

EUでそれらの国を救うことはさらにユーロ諸国の借金を増やし、
通貨の価値を引き下げ、EU諸国に住むユーロ市民全員が
損失を被ることになります。

マーケットがユーロの問題に着目している以上、
損失を確定しない限り、危機は終わらないでしょう。

ショックは先送りすることもできますが、その分さらにひどくなります。
今、ショックが来た方が少ない損失で済むことになると思います。

私の見通しではショックが来るか、来ないかが問題なのではなく、
いつ来るかの問題ではないかと考えています。

テレビなんかで言われているユーロが一致団結して、
危機を回避すべきという意見は、
結局問題先送りのことで問題をさらに悪くするでしょう。
ユーロ諸国は現実を見るべきではないでしょうか。

しかし、ユーロよりも実際はアメリカの問題の方が大きいでしょう。
今はユーロの問題によって注目されいないだけです。

2011年10月17日月曜日

第2のリーマンショックは来るか? その2

デクシア解体よりも、数週間前のことですが、
UBSの不正取引が発覚しました。
http://www.cnn.co.jp/business/30003985.html


これと同じようにリーマンショックの半年以上前の2008年1月には、
仏ソシエテ・ジェネラルの不正取引が発覚しています。

この点もなんだかリーマンショックと似ていると感じます。

さて、このUBSの不正取引ですが、
詐欺容疑で31歳の男性が逮捕されました。

ソシエテ・ジェネラルの際も1人のトレーダーが逮捕されました。

ただ、ほんとうに60億ドルもの巨額な取引を隠れてとはいえ、
1人のトレーダーができるのかという疑問が
複数の新聞社や経済分析ブロガーからささやかれていました。

ようは、会社全体での損失が膨らみ、60億ドルまで達してしまったのだが、
それを普通に公表してしまうと世間や株主から大問題にされてしまいます。

会社経営の責任を問われないように、1人のトレーダーが不正にやったもの
として取り扱うことで責任逃れをしているのではないかと推測する記事が出回りました。

2008年の時は、そこからベアスターンズの破綻、リーマンショックへと流れていったのです。

今回のUBSの不正取引後にデクシアの解体がありました。
今現在ユーロ円はほんの少し反発しています。
ユーロ・ドルも同様に少し反発しています。

今後、リーマンショックのようになっていくのか、危機は回避されるのか?
あまり暗い未来は想像したくないものですが。

2011年10月15日土曜日

第2のリーマンショックは来るか? その1

先日、欧州銀のデクシアが解体されました。
http://www.nikkei.com/markets/features/12.aspx?g=DGXNASGR10004_10102011000001

未だに欧州経済に対する悲観的な報道が続いています。
では今後どのようになっていくのか?
やっぱり気になるのは未来なんですが、
未来を予測するためには過去を振り返ってみましょう。

リーマンショックが来る少し前から振り返ってみたいと思います。
リーマンショックの約半年前の2008年3月には、
アメリカの大手銀ベアスターンズが破綻しました。

ベアスターンズ破綻によって、
2007円に800ドル近辺を行き来していた金価格は、
史上初めて1000ドル超えへ。

2007年6月には120円台だったドル円は、
1995年以来の100円を割って95円へ。

2007年7月には18,000円台だった日経平均は、
12,000円割れします。

テレビニュースでもこぞってこのニュースを取り上げ、
アメリカ経済に対しての先行きの不安を報道しました。

しかしその後、相場は反転し始めます。
金価格は850ドルまで下落し、
ドル円は110円まで戻します。
日経平均も上昇して、14,000円台まで回復します。

一部の専門家はベアスターンズ破綻が危機のピークだったといい、
経済はこれから上向くというような予測をする人もいました。

そして、経済は明るい方向に向かっていきそうだとなった
その直後にリーマンショックがやってくるわけです。

リーマンショックにより金は700ドル割れ、
ドル円は86円台へ下落、
日経平均は7000円台にまで下落しました。

ここで注意すべきなのは、
ベアスターンズ破綻までは危機によって買われていた金が、
リーマンショックによって売られ、下落したということです。

なんで金が売られたのかに対する考えは
また別の機会に書こうと思いますが。

まずは、先日のデクシア解体とベアスターンズ破綻、
似ているように見えなくもないと思いませんか。

2011年10月14日金曜日

ベトナム人の常識

ある日本人の夫とベトナム人の妻との会話です。

すべてを円で預金している夫に対して、
「なんですべて円なの?50%をドルにしておくべきでしょ。」と。


ベトナムでは1986年のドイモイ政策以前、
インフレに悩まされ生活に苦しかった経験があるせいか、
自国通貨に不信感を持っている人が多いようです。


ベトナム人妻の考え方は次のようなものです。

「ベトナムの通貨ドンではその価値を保つことができない可能性が高い。
そして、ドンの価値が大幅に下落しても大丈夫なように
いくらかを米ドルで持っているべきだ。」


この考え方こそ、保険としての資産分散ではないかと思います。
自国の通貨のみを保有することは万が一の場合を考えると危険なことであり、
そして、それがむしろ常識になっているようです。


実際、私がベトナムにいたときに聞いた話では、
お年玉としてベトナムのドンを渡すよりも
米ドルを渡す方が喜ばれるというくらいでした。


自国通貨に保険をかけるという考え方には大いに賛成です。

とはいえ、ベトナム妻はもう少し経済の流れを学ぶべきじゃないかと思いますが。


今の流れから感じられることは、米ドルはすでに崩壊過程にあり、
やがて基軸通貨の座を失うことになると思います。

それは今日明日に起こることではなくて、
経済に関心のない人たちにも浸透していくように
進んだり戻ったりしながら徐々に崩壊していくのだろうと考えています。


最近始まった米ドルの反発は数か月、
もしかしたら1年以上続くかもしれません。
短期的にはむしろ米ドルは持っていたほうがいいだろうとは思います。


そうだとしても、もっと大きな流れとしては、
米ドルはそれ自身が本来持つ価値に近付いて行くだろうと考えています。
米ドル自信が持つ価値とは”紙きれ”です。

保険として持っていた米ドルがいつの間にか
ベトナムドンと同じ運命をたどるとは思っていないのかもしれません。


各国の中央銀行がお札を発行する権限を持っていて、
米ドルもユーロも円も本来持つ価値が”紙きれ”である以上、
米ドルも円も根本的には同じであり、
それでは分散とは言えないでしょう。

だから保険として、実物資産の代表である金・銀を候補にあげてみました。
金や銀はそのものに価値があり、紙切れにはなりません。
もし、石油をずっと保持することができるなら
石油もいいかもしれませんがそれをできる人がいたら教えてほしいです。

2011年10月13日木曜日

ユーロの見通し

ユーロの問題は借金が膨らんでしまった親戚のおじさんをどうすべきかという問題と同じ。

さらにお金を貸せば、
1.おじさんの借金はさらに膨らむだけ。
2.すでに貸したお金は返ってこないし、追加で貸した分まで返ってこなくなる。
問題を解決するには破産するか、宝くじでも当てるか。

やっかいなのは、すでにおじさんにお金を貸しているのが大銀行で、
大銀行は貸した金を返してほしがっているというです。

政府には大銀行の人たちとお友達が多い。
なんせ、彼等は票がほしいですから。
そして、政府にはお金を刷れる権限があります。
そこが親戚のおじさんとは違うところですね。

スロバキア政府がEFSFを否決したり、再採決したり茶番劇なんだけど、
つい見てしまうのは、水戸黄門が好きなおじいちゃんと同じか。


危機が回避されて、買い戻されているユーロの流れはいつまで続くかわかりませんが
問題の根本が解決(デフォルト)するまでユーロの下落は終わらないでしょう。
ユーロ/ドルの直近安値1.31台はやがて割り込まれることになると思います。

もし、ギリシャ(やイタリアやスペイン)を破綻させれば一時的に大混乱になるでしょうが、
ユーロは正直な通貨だということを示すことになります。

それができればユーロを応援したい(ユーロを買いたい)と考えています。

2011年10月12日水曜日

ジンバブエのハイパーインフレーション

歴史的な教訓としてジンバブエで
ハイパーインフレーションが起きました。

wiki: ジンバブエ・ドル

このハイパーインフレーションは遠い過去に起きたものではなく、
ほんの数年前に起きたのです。
そして、2011年現在、ジンバブエではジンバブエドルは使用されなくなり、
米ドルが使用されています。

下のグラフはジンバブエ・ドルの対ドルレートです。
メモリの単位が対数になっていることに注意してください。
1ドルが10の何乗ジンバブエ・ドルなのかということです。

当初、1ドル=1ジンバブエ・ドルとして発行されたのに、
最終的には1ドル=10,000,000,000,000,000,000,000,000ジンバブエ・ドルとかになってます。
日本語ではなんて言えばいいのでしょう?
兆(チョウ)、京(ケイ)を超えて、亥(ガイ)になるのでしょうか?


今後も世界中の政府がお金を刷り続ければ、
(刷り続けることになるでしょうが。)
ドルやユーロ、円にも同じようなことが起こる可能性があります。

ジンバブエの人々は政府がやっていることに気づいていれば、
ドルや外貨や実物資産を買っておくべきだったのです。
結局、今から見れば、1ドル=1,000,000ドルだって
安いものだったことがわかるでしょう。

しかし、だからと言って外貨を買った人が儲かったわけでもありません。
1ドルの価値は1ドルですから、ジンバブエ・ドルの価値が
急激に下がって、結局は紙くずになってしまったわけで、
ドルを持っていたからって1ドルで買えるものは
その価値しかありません。

ドルに関してもそれと同じことが言えるかもしれません。
もし、ドルが崩壊すれば、金は10,000ドルや20,000ドルを超えて、
どこまで行くのかわかりません。
しかし、それでも金1gは金1gなのです。
ドルが崩壊すれば、何万ドルだろうが、何兆ドルだろうが
紙くずは紙くずなんです。

だから、私は稼ぐためではなく、保険という意味で
すべての人がいくらかの金を持つべきだと考えているのです。
ドルに問題が起これば紙くずになります。
しかし、金は金自体に価値があり、金1gは金1gなのです。

2011年10月11日火曜日

金積立のススメ

このところ、金や銀の調整について書いていますが、
それでも私は金積立を続けています。
そして、誰しもがいくらかの金を持つべきだと考えています。

最近の金や銀の価格は下落しており、
さらなる下落が待ち受けている可能性もあります。

しかし、世界中の中央銀行がお金を刷り続け、
借金の問題をさらなる借金で解決しようとしています。
その流れはまったく変わっていません。
大きくした借金はさらに問題を大きくすることに
なるだろうと考えています。

将来的にアメリカは税収のほとんどを
借金の返済にあてることになるでしょう。
そのためにさらに借金を重ね、
通貨の価値はさらに下落しそうです。
そして、それはアメリカだけの問題ではなく、
世界中の多くの国で起きているのです。
通貨の価値を損ねれば多くの人が
実物資産に走ることになります。


1970年代の金の上昇を見れば、調整局面の後に
4年間で100ドルから850ドルまで上昇しました。

少し前まで金は高値を更新し続け、今はそこから少し下落しています。
しかし、もし、今がこの調整局面にいるとしたら、
大幅に上昇するのはこの調整局面後のこれからなのです。

インフレーションやハイパーインフレーションは
歴史を見れば何度も起こっています。
だから、もし私が間違っていたとしても
いくらかの金や銀を保険として持つことには意味があると思うのです。

2011年10月10日月曜日

先行する銀チャート?

金価格がさらに下落するかもしれないと感じる1つの理由として、
最近の銀のチャートを見てみたいと思います。


2011年の5月に50ドル近辺にまで急上昇した銀価格は
2週間で33ドルまで歴史的な急落を見せます。
その後、33ドルから40ドル付近で動いていましたが、
33ドルを割って一時、28ドルにまでもう一段下落しました。

一方、金価格は銀が大きく下落した2011年の5月には少ししか下落せず、
その後、8月の1900ドル台まで急上昇し、1500ドル台へと急落します。


通常、金や銀は同じように動くものです。

そして、最近の銀の動きは金の動きに
先行しているのではないかと考えるようになりました。
金が今後、銀のように動くとすると、もう一段下に下がるのではないかなと感じます。

例えば、ポンド円とユーロ円は基本的に同じように動いてきましたが、
ポンド円が先行して下落するということがありました。
http://zai.diamond.jp/articles/-/38548

必ずしもそうなるというわけではないですが、
そういうことはよく起きるということで注意すべきではないかなと感じます。

そして、金や銀が同じように動くと考えた場合、
金が一段安に向かうなら、銀はさらなる下落をする可能性が
あるのではないかと思います。

ただし、金も銀も長期上昇トレンドの中にいるという考えに変更はありません。

2011年10月8日土曜日

金大幅調整の可能性

先日、書いたように過去の2400%の上昇局面の中には
金は40%の下落を経験しています。
金上昇相場の歴史

金はこの調整局面で、同じように下落する可能性が
あるのではないかと考えるようになりました。

それは自分を含めた多くの投資家が
ドルに対して弱気で、金や銀に対して強気であるということです。

相場は強気いっぺんになると長期トレンドとは
反対方向に動いて調整をします。

下は、ドル円のチャートです。
2007年6月から今までドル円はずっと下落トレンドですが、
なんどか大きな調整局面がありました。

印象的なのは2008年3月の下落です。
ドル円は95円台をつけ、
ニュースでも100円を割る円高局面到来と大きく報道されました。

ドルに弱気だった私はさらなる円高を予測しましたが、
相場はそこから反転し、110円台まで反発しました。

110円台まで反発してくると円高論者は大間違い扱いされ、
ドルの95円は大底で、絶好の買い局面だったと言われます。
しかし、そうではなかったことは今のドル円相場からはわかるでしょう。



95%の投資家が同じ方向を向いた時、
相場は反転をし始めます。

なぜなら、みんなが売って(買って)しまったら、
それ以上売る(買う)人はおらず、
誰かが利益確定のために買い戻し(売り出し)始めると、
相場が反転していくからです。
そして、高値で買った人や安値で売った人は
損失を被ることになり、損切りが損切りを呼んで、
調整が大きくなるのです。

これはいつでも起きていることであり、
相場にとっては健全で自然な流れです。
今、金には同じようなことが起きているのではないかと
なんとなく感じるのです。

そして、あの頃のドル円の調整と同じように、
今起きている調整は金の強気派が否定されるくらい
大きくなる可能性をがあります。

それが実際に起これば、
最近になって金を買った人には試練になりますが、
本当の金の強気派にとっては
これから絶好のチャンスが到来することになります。

2011年10月6日木曜日

金上昇相場の歴史

金の上昇相場は1960年代から始まり、
1980年に一度上昇を終えることになります。

下のグラフは年平均価格のチャートです。
金価格は35ドルで固定されていましたが、
アメリカはドルを刷りすぎて、
金価格の上昇を抑えきれなくなり、
1971年のニクソンショック以降に自由化されました。



自由化されてから1975年2月に185ドルまで上昇することになります。
35ドルから185ドル!530%の上昇です!

そこから約1年半下落し、1976年8月の102ドルまで40%程度下落します。

その後、再び切り返し1980年1月の850ドルまで上昇することになりました。
この上昇期間で、金は35ドルから850ドルまで2400%の上昇です!
ただし、1980年までの上昇で740ドルをうわまったのはたったの4日間です。
まさに買いが買いをよぶバブル状態になったのではないでしょうか。
私はその相場を見ていたわけではありませんが。


20年間にわたる2400%の上昇相場の中には、
40%というかなり大きな下落局面があったということは
教訓として知っておく必要があると思います。

2011年10月5日水曜日

金のリスク

私が注目をしているのは、金・および銀です。
金・銀とはなんなのか、特にリスクを含めて調べておきましょう。

田中貴金属などの大手業者でおおざっぱに
金について説明してくれています。

しかし、こういうところでは基本的に金の魅力を伝えてはくれますが、
そのリスクについてはあまり教えてくれません。
金は相場商品であり、元本割れする恐れもありますと
小さく書いてあるくらいです。

そう、金価格は毎日変動し、上がったり下がったりするものなのです。

過去にどのくらいのスパンで、
どのくらい下落したかは知っておいて損はないでしょう。


金は1980年1月に850ドルまで上昇した後、
上がったり下がったりしながらも
1999年7月の252ドルまで下落し続けます。
その後、少し回復しますが、2001年には再び255ドルまで下落します。
19年間で71%まで下落し続けたということです。

2000年までのチャートを見れば、
850ドルは金のバブルだったことがわかります。

金投資で一番失敗した人は850ドルで買って、
19年間ねばってみたものの、そこであきらめて252ドルで
売り払ってしまった人ということです。
そんなに運の悪い人がいるかどうかはわかりませんが。

これは過去の参考であり、今後さらに長く、大きな下落がないとはいいきれません。
しかし、こういうことが起きたことは知っておく必要があると思います。

2011年10月1日土曜日

経済を学ぶ必要性

日本のバブルが弾けてから約20年。
残念ながらバブル時の私はあまりに若く、
輝かしいバブル時代の記憶はほとんどありません。

日本の借金は900兆円を越え、
若者世代の閉塞感を強く感じる国になってしまったように見えます。

このまま真面目に預金をして、納税をして、
老後に年金をもらう暮らしが続けて行けるだろうか?
将来に対する不安を抱いている人は多いのではないでしょうか。


日本で生活していれば、
円を持っていない人はおそらくいないでしょう。
円は日本で流通している通貨であり、
日本で生きていく以上欠かすことができません。
そして、通貨は経済システムの信用によって成り立っています。

日々の生活で誰もが使用する通貨が
経済システムによって支えられている以上、
誰もが経済を学ぶ必要があるのではないかと考えています。

そう、経済を学ばなければいけないのは、政治家や銀行家だけではなく、
むしろ、サラリーマン、自営業者、主婦、誰もが必要ではないかと思うのです。
(国債の格付けについて)「そういうことに疎い」(by管元首相)なんて
言っていてはいけません!
(格付け会社の格付けを鵜呑みにする必要はないが、
国債のことをわかっていない首相はまずいでしょう。)

バブル時代と今の状況が全く違う様に、
経済は生き物であり常に動いています。

将来への見通しが見えない今の時代だからこそ、
自分で自分の資産を防衛できるように
経済を学び、注視し、行動をとるべきではないでしょうか。