2011年10月14日金曜日

ベトナム人の常識

ある日本人の夫とベトナム人の妻との会話です。

すべてを円で預金している夫に対して、
「なんですべて円なの?50%をドルにしておくべきでしょ。」と。


ベトナムでは1986年のドイモイ政策以前、
インフレに悩まされ生活に苦しかった経験があるせいか、
自国通貨に不信感を持っている人が多いようです。


ベトナム人妻の考え方は次のようなものです。

「ベトナムの通貨ドンではその価値を保つことができない可能性が高い。
そして、ドンの価値が大幅に下落しても大丈夫なように
いくらかを米ドルで持っているべきだ。」


この考え方こそ、保険としての資産分散ではないかと思います。
自国の通貨のみを保有することは万が一の場合を考えると危険なことであり、
そして、それがむしろ常識になっているようです。


実際、私がベトナムにいたときに聞いた話では、
お年玉としてベトナムのドンを渡すよりも
米ドルを渡す方が喜ばれるというくらいでした。


自国通貨に保険をかけるという考え方には大いに賛成です。

とはいえ、ベトナム妻はもう少し経済の流れを学ぶべきじゃないかと思いますが。


今の流れから感じられることは、米ドルはすでに崩壊過程にあり、
やがて基軸通貨の座を失うことになると思います。

それは今日明日に起こることではなくて、
経済に関心のない人たちにも浸透していくように
進んだり戻ったりしながら徐々に崩壊していくのだろうと考えています。


最近始まった米ドルの反発は数か月、
もしかしたら1年以上続くかもしれません。
短期的にはむしろ米ドルは持っていたほうがいいだろうとは思います。


そうだとしても、もっと大きな流れとしては、
米ドルはそれ自身が本来持つ価値に近付いて行くだろうと考えています。
米ドル自信が持つ価値とは”紙きれ”です。

保険として持っていた米ドルがいつの間にか
ベトナムドンと同じ運命をたどるとは思っていないのかもしれません。


各国の中央銀行がお札を発行する権限を持っていて、
米ドルもユーロも円も本来持つ価値が”紙きれ”である以上、
米ドルも円も根本的には同じであり、
それでは分散とは言えないでしょう。

だから保険として、実物資産の代表である金・銀を候補にあげてみました。
金や銀はそのものに価値があり、紙切れにはなりません。
もし、石油をずっと保持することができるなら
石油もいいかもしれませんがそれをできる人がいたら教えてほしいです。

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